2021.05.13 Thursday

【政治とお金の話/前和光市長 松本武洋さんからシェア】

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    政治にかかわる人の、とっても大事なお話。

    ・選挙にお金をかけないこと

    ・業者に借りをつくらないこと

     

    前和光市長の松本武洋さんからシェア。

    Facebook/松本武洋/5月10日 1:23

    政治にカネをかけないこと。

    業者に借りを作らないこと。

    これが市議一期目からの大きな活動原則でした。

    私が初めて市議選に出馬する際、いろいろと教えていただいたのが地元で4期活動してこられた井上敬三議員(当時)の応援団の方々でした。

    井上さんは、私とは入れ替わりで引退されたので、その後もご指導いただきましたが、井上さんの選挙は徹底した手作りで、おカネはケチと言われるほどかけませんでした。

    また、地域の方々のボランティアによる応援も、仕事の発注などの見返りを期待せず、とにかく「和光市でいい政治をやってほしい」「不正や不公正をなくしてほしい」というピュアなものだったので、和光Gメンと呼ばれた井上さんは徹底的に入札改革や口利きの監視など、クリーンな行政を実現するために尽力できました。

    そのスピリッツを受け継いでの私の政治活動もまた、見返りを期待しない応援団に支えられてのものでした。

    特に、いわゆる「業者」の方々の応援を受けない、というのが非常に大切であり、逆に言うと、「業者」の応援を受けると、入札改革で手心が加わったり、指名競争入札の指名が不公平になったり、ということもありうるわけですね。少なくともそういう誤解を受けかねない。

    二連ポスターを平日の昼間に業者の若手が堂々とその会社のネームが入った作業服を着て貼って歩いている(笑)、とか、事務所に業者の従業員が勢ぞろいしている(爆笑)、というようなケースがままあるのです。

    他にも市長にはいろいろな誘惑があります。たとえば、Aさんが息子を市役所に入れたいと言っている、的な話が来ます。これを断らなければならない。私が外部評価者を職員採用試験に導入したのもそのためです。ちなみにもう市長を辞めたので言いますが、一番有名どころでは大森彌先生にも評価者を務めていただきました。病気をしたし、もう年齢的にきついから勘弁してくれ、と言われましたので、さすがに二度とないとは思いますが、錚々たるメンバーにご協力いただきました。

    さてさて、私が市長になって「業者」の関係者によく言われたのは「選挙のお手伝いがないから楽」「他市よりも役所と区画整理の発注が多いから仕事が確保できる」「地元は制度的に可能な範囲で、例えば総合評価な項目などで大切にしてはいただきたいが、あとは自分たちで頑張るから余計なことは必要ないですよ」というものでした。

    ちなみに、リーマンショック後でも事業量が確保できたのは、国県の補助金を活用しながら、また、民間活力も使いながら、PFIなどのファイナンスの手法も駆使して仕事をするためです。これは既存の市の職員だけと仕事をしているのでは絶対に不可能であり、私が外部人材を一定程度活用してきたのもそういう理由からです。

    とはいえ、内部で養成した人材の能力がないのではありません。むしろ、内部で養成した方が良い人材と、短期的に外部から調達し、スキルを短期または中期で活用した方が良い分野がある、と考えるのが正解です。

    内部の職員の多くはそこを理解していましたが、外部から来た人材を罵倒した職員がいたのには驚かされました。「じゃあやってみなさいよ」という話なんですよね。無理だから。いや、そもそも私だって無理ですよ。だからこそ、そこは外からノウハウを借りるのです。

    いずれにしても、コロナショック後にある程度のペースでまちづくりを推進するには、ますます国県との関係をしっかりして、さらには民間の知恵やファイナンスを活用していくしかありません。

    話がずれましたが「政治にカネをかけないこと」と「業者に借りを作らないこと」の意義の再確認です。

    まず、カネをかけると取り返したくなるのが人間の性(さが)です。たった人口8.4万人の市長選で準備行為を含めても、1000万円とか2000万円とかのカネをかけちゃいかんのです。国政選挙や知事選ではないのだから。

    もとより、二連ポスターはかなりカネがかかります。また、ビラも回数が多いとカネがかかります。

    次に、業者との関係ではとにかく借りを作らないこと。借りを作ると自由なファイナンスができない、自由な入札ができない、そんなことになりかねません。そこでもう一つ深刻なのは、地元の業者の競争力が落ちることです。競争力のない業者は技術力でもいずれは敗退していきます。

    ということで、私流に言うなら、政治にカネをかけないこと、さらには業者に借りを作らないこと、これが選挙における最低限のエチケットです。



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